2020年5月4日、Googleの検索エンジンにて大きなロジックのアップデートが行われました。これはコアアップデートと呼ばれ、全世界に影響があるものです。
このブログでもどうやらこのアップデート起因と思われる影響が発生しております。
この記事ではこのアップデートの影響範囲について分かる限りで説明します。
全世界での影響調査
まず、全世界範囲での影響を見てみます。下の図はSEMrush Sensorという、Googleの動向を調べるサイトからの引用です。

このサイトでは、SERPというユーザーが検索エンジンで検索を行った際に表示される検索結果画面をトラッキングしています。
折れ線はその日のボラティリティ(変動)の大きさを表しており、青や緑の領域はGoogleでの検索結果の変動が少ないことを意味します。
一方で、アップデートのあった5/4ではボラティリティが大きくなり、赤で色分けされた”Very High”の領域に差し掛かっています。
つまりこのアップデートを境に多くの記事がランク変動をしていることが予測されます。
また、こちらの記事には、上記を踏まえ業界ごとの変動について掲載されています。

この記事によると、アップデートの後は平均で±4.5位の変動が発生しています。
特に変動が大きいのはTravel(旅行)、Real Estate(不動産)、Health(健康)、Pets&Animals(ペットと動物)、People&Society(人と社会)でした。
これらのテーマはCovid-19(新型コロナウィルス)関連で大きく話題を集めたジャンルに見えます。
あるテーマに関連する記事が増えたりすると、それに伴い事実と反する記事や不安を煽るような記事も増えることが予想されます。
私の推測ではありますが、今回のアップデートは、そういったユーザにとって無益な記事のランクを下げる狙いがあったのではないかと考えています。
過去のアップデート
簡単に2019年以降のアップデート日付と内容をまとめました。
アップデート名 | 日付 | 特徴 |
Google May 2020 Core Update | 2020年5月4日 | ・最新のアップデート ・健康、金融、ペット、旅行などに影響 |
Google January 2020 Core Update | 2020年1月13日 | ・2020年初頭のアップデート ・あまり大きな影響は見られていないらしい |
Google November 2019 Core Update | 2019年11月7日 | ・旅行、食品、健康に影響 ・大小合わせて多くの影響 |
Google September 2019 Core Update | 2019年9月24日 | ・SERPの品質向上にフォーカス |
Google June 2019 Core Update | 2019年6月3日 | ・市場初めて、アップデート日が事前申告された |
Google March 2019 Core Update | 2019年3月12日 | ・健康やデリケートなトピックに影響 ・信頼性や専門知識に対し評価が入った |
振り返って見ると、健康や食品、医療などはかなり頻繁に見直されているようです。
ついで旅行や金融といった印象でしょうか。いずれも生活へのインパクトが大きいものと言えそうです。
また、今では当たり前になったGoogleによる事前告知はつい最近習慣が始まりました。
当ブログでの状況
卑近な例ですが、当ブログにも上記のアップデートの影響が発生しました。
下記のグラフはGoogle Search Consoleから取得した、Google検索からの流入のトレンドです。赤丸で囲った範囲は2020/5/2~5/10のパフォーマンスを示しています。

当ブログのジャンルは、上記の表記で言うところの「Conputer&Electoronics」「Business&Industrial」などが該当すると思われます。
変動の大きいジャンルではありませんが、それでも一時的にランキングが下がっており、検索からの流入数も下がっています。
これは小さいサイトでのみ起きているのかと思いきや、SEOの調査で有名なNEILPATELによると、下記のような世界的に大きなサービスでも順位が下がっている例があるそうです。
- Spotify.com(音楽配信のスポティファイ)
- Creditkarma.com(クレジカードなどの与信アプリ)
- LinkedIn.com(ビジネスSNSのリンクトイン)
- Legoland.com(レゴランドのHP)
- Nypost.com(ニューヨーク・ポスト)
- Ny.gov(ニューヨーク州のウェブサイト)
- Burlington.com(小売りチェーン大手)
これらのサイトを見てみると、エンタメ、金融、メディア、政府、小売などジャンルはバラバラで、特定の業界だけが変動したわけではなさそうです。
これらのサイトが一概にユーザメリットのない記事を公開していたとは考えにくいため、コアアップデートによる乱気流に一時的に巻き込まれた可能性もあると考えています。
アップデートへの対策
基本的に対策できることは常に同じです。
- コンテンツの品質を高める:コピペせず、タイトルやメタ記述がSEOに適っている
- 専門知識:信頼できる内容が欠かれている
- デザインとプレゼンテーション:図や表を使ってわかりやすくデザインされている
- 競争力:上記3つ、かつ同テーマの記事よりも網羅性などの面で優れている
また、過去の傾向より変動の大きいジャンルは大体分かりますので、そのテーマに偏らず記事を書くことも有効でしょう。
複数カテゴリでの運営も効果的だと思われます。
まとめ
この記事では、Googleの2020年5月コアアップデートによる影響を調査しました。
Googleの理念としては「ユーザにとって有益なサイトを上位表示する」というものがありますが、短期的には良い記事もマイナスの影響を受ける可能性はありそうです。
その場合、マイナーアップデートで修正されることもあり、数週間程度で元のトレンドに戻ることもあります。
事実、当ブログの検索流入はアップデートから10日ほどで回復基調にあります。
SEOについては短期的に判断せずに、ある程度の時間軸をもって修正などをされることをお勧めします。
今回は以上です。お読みいただきありがとうございました。
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