私はIT企業でインサイドセールスの仕事についています。
この仕事に就く前は、同じくIT企業でフィールドセールス(外勤営業)の仕事をしていました。
インサイドセールスでは、営業としての基本的な能力の他、独自のスキルやセンスが求められる場合もあります。
この記事では、これからインサイドセールスを目指す人に向け、転職にあたり知っておくべきことと、スキルのアピールについて説明します。
インサイドセールス導入の現状
データ出典:HubSpot Japan株式会社 (Source: https://www.hubspot.jp/inside-sales)
まず、インサイドセールスがどのくらい日本企業で導入・認知されているかは下記のグラフになります。
欧米に比べて日本でのインサイドセールス導入率及び認知率はまだまだ高くはありません。特に米国ではすでに半数近くの企業が導入しているのに対し、日本ではまだ11.6%に留まります。


また、「自社の顧客情報の管理方法は明確ではない・わからない」と 答えた経営者・役員の割合が39.2%、マーケティング組織を持たない企業が全体の60.6%もあるなど、日本ではまだまだマーケティング – インサイドセールス – フィールドセールスの分業が進んでいない状況と言えそうです。
一方で、インサイドセールスをすでに導入していると答えた企業は2010年頃より大幅に増加しています。
更に、インサイドセールスをすでに導入している企業の23.3%が月に100件以上のリードを獲得するなど、三者の分業は営業の効率化に貢献することがファクトとしても明らかになっています。
折しも、最近のCOVID-19の影響でテレワークやWeb会議に半ば強制的に慣れているところでもありますので、私見ですが今後インサイドセールスに対する企業のアレルギーは薄くなって行くと思われます。
インサイドセールスのキャリアバックグラウンド
次に、インサイドセールス採用された人のバックグラウンドについてです。
私も直前はフィールドセールスを務めていましたが、別の役割からインサイドセールスへ転身する人が多いのも一つの特長かと思います。
私の周囲のインサイドセールスのバックグラウンドは例えば、
- フィールドセールス
- マーケティング
- 事業開発/企画
- ECのバイヤー
- テレアポ/コールセンター
- 前職もインサイドセールス
- 新卒
等があります。Hubspot社のデータによれば、日本のインサイドセールス組織の8割以上は営業組織に含まれるそうですが、実際はインサイドセールスには多分にマーケティング、事業開発としての要素が求められるため、営業出身でない人にも十分にチャンスはあるかと思います。
また、インサイドセールスをフィールドセールス(というかアカウントエグゼクティブ)の修行期間と捉え、新卒や第二新卒を多く配属させる組織もあります。
私個人としては、インサイドセールスは時代に即した効率的な働き方であり、決してフィールドセールスの下ではないと強く思っていますが、この辺りは組織の考え方でしょう。
ISへの転職に向けて
最後に、インサイドセールスに転職するために必要なスキルやアピールについて説明していきます。
コアスキルについては別の記事にまとめていますのでそちらをご覧ください。
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営業的スキル
- 顧客との信頼構築:非対面かつ長期的にリレーションを構築すること
- ヒアリング:顧客の課題とニーズを顕在化させるスキル
- プレゼンテーション:対多数のようなプレゼンスキルは不要ですが、最低限聞きやすく要点がわかりやすいプレゼンが必要です
- オブジェクトハンドリング:顧客からの問い合わせや、疑問に対し、適切に商談をファシリテートできること
- フォローアップ:メールや電話で定期的に情報提供をすること
マーケティング的スキル
- 情報収集:基本ですが、顧客よりも常に新しい情報を押さえておくべきです
- 顧客のセグメンテーション:今一番フォローすべきアカウント、特定の施策がハマりそうな顧客を「面」で捉える
- コンテンツ企画作成:誰に、何を発信するかを企画する
- ライティング:メールやSNSで広く情報発信するケースもあるため、文章は書けるにこしたことはありません
事業開発的スキル
- データ分析:アクティビティを分析し、仮説とネクストアクションを提案できること
- ビジネスプロセス改善:顧客のビジネスを改善するための提案ができること


まとめ
この記事では、インサイドセールスの導入状況と、インサイドセールスとしてのキャリアを歩むためのスキルについて説明しました。
スキルに関しては正直全てを見に付けておくことは難しいと思いますので、例えば現在営業職の方であればマーケティング的な、より広い視野での顧客の管理を、
現在マーケティングや事業開発の方であれば営業的なオブジェクトハンドリングやクロージングへ向かうコミュニケーションを意識されると良いかと思います。
新卒または第二新卒の方であれば、上記のようなスキルを身につけるための自らの素養や仕事外での経験をアピールされるのが良いと思います。
今回は以上です。お読みいただきありがとうございました。
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