大型商談を成功させるSPIN営業メソッド|間違いだらけの営業法から脱却するヒントとは

spin-sales マーケティングと営業
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この記事のざっくりまとめ
  • 従来営業の常識として教えられて来たことは実は間違いだらけ
  • SPIN質問を使ってニーズを顕在化することが重要
  • SPIN質問の充実度は商談以前の準備期間で決まる

大型商談を成約に導く「SPIN」営業術(原題:SPIN-Selling)は初版が1987年にアメリカで出版されてから30年以上、営業のバイブルとして読みつがれている本です。

本書では、営業に必要な能力と商談の進め方を大型商談と小型商談の2つに分けてそのスキルの違いを説明しています。

私もかつては金融業の顧客を持つ外勤営業として、数千万円〜十数億円の案件を追いかけるような役割を担っていました。転職した今では月あたり数十万円程度の商談を主に手掛けています。

その私の経験からも、本書の内容は衝撃的かつ納得の行くところでした。

この記事では、SPIN営業術の要旨を紹介いたします。ただし、あくまでもさわりだけですので詳細は書籍をご覧ください。

大型商談を成約に導く「SPIN」営業術
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大型商談にまつわる大きな誤解

まず、本書は長らく営業に携わる人にとって衝撃的な事実から開始されます。それは下記のとおりです。

大型商談に関する驚きの事実
  • クロージングテクニックは役に立たない
  • 「オープンクエスチョン」と「クローズドクエスチョン」の使い分けには意味がない
  • 顧客の反対意見に対する反論(カウンター)も同様に無意味
  • 商品の「利点」を説くことは商談成功につながらない
  • いわゆる「潜在ニーズ」の把握はあまり重要ではなく、顕在ニーズのほうが商談を左右する
  • 顧客からの反論は良い兆候ではなくむしろ予防すべき事象
  • 商品の利点を語ってはいけない

特に、上から2番めの質問の仕方についてはまさにこの本の中核を担うテーマです。

本書で説明される「SPIN」とはまさにこの質問に関わる新たな事実に基づくスキルであるといえます。

大型商談の成否を分ける要素

実際に商談の成功要因について触れる前に、まずは「商談の成功とは何か」ということをはっきりと定義しておきましょう。

1〜2回の商談、あるいは明示的な商談なしで売れる小型商談と、何度も打ち合わせを重ねる大型商談では、そもそも成功と失敗の定義もやや異なります。

小型の商談では結果は成功か失敗かの2つしか無いのに対し、大型商談では受注と失注の他に「進展」と「継続」の二つが存在します。

大型の商談では1度の提案で結果が決まることが少ないため、このような中間指標が存在します。

大型商談では、受注とは行かないまでも、具体的な進展を得ることが商談の最低限の目的となります。

商談の段階

具体的なSPINの利用方法に入る前に、まずは本書で述べられる商談の4つの段階についてです。

従来の常識と異なり、各段階ですべきことが明確にされています。大まかな流れと意識すべき点は下記のとおりです。

  1. 予備段階:顧客とのファーストコンタクト。今後質問をしていい流れを作る
  2. 調査段階:SPINによって質問し、ニーズを深堀りする
  3. 解決能力を示す段階:顧客の問題を解決する視点で語る
  4. 約束を取り付ける段階:無理にクロージングせず、段階的で無理のないネクストアクションの設定

SPINによる質問法

SPINとは、従来型のオープン/クローズドクエスチョンに変わるもので、お客様の潜在ニーズを顕在化させるとともに、お客様の課題をより定量的に浮き彫りにします。

すなわち、自社のサービスがお客様のニーズに適い、かつ値段に見合う効果があるという意識を醸成し、お客様の需要を喚起します。

SPINとは、以下の4つの頭文字です。

  • 状況質問:Situation
  • 問題質問:Problem
  • 示唆質問:Implication
  • 解決:Need-Payoff

本書ではこれらの意味と効用がしっかりと述べられています。この内容が知りたい方は是非原著を誤購入ください。

解決能力を示す

このフェーズでは、SPINで顕在化させたニーズに対し解決策を提示します。

よくありがちなこととしては、解決能力を示すために自社サービスの利点について語りがちです。例えば

  • 秒間XXX件の処理
  • 他社よりも安い価格
  • 他社製品よりも高い性能

などです。一方で、より成功する商談では、「利点」ではなく顧客の「利益」について述べられている機会が多いとのことです。

つまり、ただサービスの優れているところではなく、それがいかにお客様の課題を解決するかという点に踏み込んでいるかが大切になります。

私個人の理解ですが、利点はどこまでいっても競合他社との比較になります。相対的な価格や性能を踏まえずに利点は語れないからです。

一方で、利益は必ずしも相対論ではありません。お客様にとっては、自社の課題を解決してくれてリーズナブルなサービスであれば購入する価値があるので、場合によっては競争することすらなく受注を決めることが可能です。

また、技術の進歩ペースが速い昨今では利点はあっという間に他社にも追いつかれてしまいます。

その先にあるのは相対的な価格の優位性、つまり利益を圧縮するだけの値引き合戦になります。

一方で、利点ではなくサービスが解決する問題の価値にフォーカスをすれば、競争すべき価格は他社サービスではなく現在顧客がロスしているコストになります。

次の約束を取り付ける

営業担当者において、クロージングはもっとも神経を使う場面です。

将棋に例えれば一手一手ミスのないように詰みを探すような状況です。

また、日本人にはあまり馴染みがないですが、いわゆるクロージングテクニックには多くの方法があります。

それらは基本的に、話の進め方によって相手に「No」と言わせないような手練手管のことを言います。

しかし、これらのテクニックはベテランの顧客にとっては逆効果です。実際、提案を受ける側の多くは自分がクロージングテクニックの相手にされていることを好みません。

大型商談において、クロージングの代わりに意識すべき点は下記の2つです。

  • 顧客との約束が具体的に商談を進めるものであるか(自社のオファーを受ける、上位職者を紹介してくれる、などアクションを伴う)
  • 約束は顧客にとって現実的である

大型商談には、劇的なクロージングの瞬間はあまり多く見られません。むしろ、営業担当にできるのは細かなアクションと合意形成までで、最終的な意思決定はお客様の内部会議、つまり営業が不在な場で決まることがほとんどです。

これは極めて重要な事実で、営業担当は商談において目の前にいる一人から理解を得られれば良いという訳ではないことを説明しています。

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まとめ

営業担当者にとって、顧客との効果的なコミュニケーションと商談の成功は何より大きな課題です。

営業に関するセオリーは巷に溢れていますが、その多くは著者の経験やたまたま上手くいった例の域を出ていません。

本書では、数千件に登る営業同行と調査から、成功する商談のパターンを浮き彫りにしています。そのため、直感的には納得が行かないような供述も多くあります。読者がベテランの営業であればなおさらでしょう。

しかし、一方でセオリー的な営業テクニックを披露してしくじった経験を持つ方も多いのではないでしょうか。それこそは巷に溢れる有名無実な営業神話なのかもしれません。

SPINおよびこの本にある技術は、まさに営業の本質を浮き彫りにしたものであり、今日でも十分に活用の余地があるものと思います。

今回は以上です。お読みいただきありがとうございました。

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Huli

IT企業で働いています。このブログではIT、キャリア、資格などについて発信しています。My opinion is my own.

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