オンライン営業(オンラインセールスとも)とは、初回の打ち合わせからクロージングまで、一貫して顧客と直接対面することなく進める営業のスタイルです。
商談にもスピードと柔軟性が求められるいま、訪問せずに成果を狙うことができるオンライン営業に対する注目はかつてないほどに高まっています。
この記事では、現職のインサイドセールスである筆者が、オンラインでの営業活動について説明しています。
通常の営業活動との違いとは
現在多くの企業で主流と言える、訪問をメインとする営業スタイルではお客様と対面で深い議論ができる一方で、多くの悩みを抱えています。
- 移動時間が長すぎて効率が悪い
- 遠方への訪問の場合、移動費や諸経費がかかる
- アポイントの頻度が高くなく、細かなヒアリングができない
- 結果的に他社のオファーを阻止できなかったり、お客様ニーズの変化に気づくのが遅れてしまう
- 営業一人が担当できるお客様の数がどうしても少ない
私もかつては外勤の営業をしていましたが、これらの悩みは実に深刻です。地方のお客様に対してはそう頻繁に訪問もできませんし、訪問したらしたで丸一日潰れてしまいます。
一方で、オンライン営業では物理的な移動にかかる時間やコストを削減できます。
オンライン営業の特徴と役割
上記の、外勤営業との違いを踏まえたオンライン営業担当の特徴は大きく3つあります。
- 訪問をしない営業担当である
- Web会議や電話、メールを駆使して提案を行う
- 訪問することなく、クロージング(成約)までを担当する
オンライン営業をする上で意識すべき点について説明します。
何より重要なのは「ナーチャリング」
オンライン商談のいいところは、営業にとってもお客様にとっても1回のミーティングが気軽に行えるところです。
私もよく経験していますが、スーツを着た営業が来社してきて会議室ではじまる打ち合わせはお客様にとっても精神的なコストが高いです。
つまり、『まだ本格検討してもいないのに対面でクロージングかけられるのはちょっとな…』と思ってしまい、却ってアポイントに対し消極的にもなりかねません。
対して、Web会議などでは対面ほどの圧迫感が出ないため、お客様も比較的フランクに応じて下さることが多いです。時間も30分程度に短く区切って行うのが適しているでしょう。
その分頻繁にお客様と会話することができますので、よりお客様のニーズの変化や細かな課題をヒアリングでき、結果的に自社サービスへの選好度を高めることが可能です。
すなわち、オンラインを主な手段とする営業は、カスタマーナーチャリングと非常に相性が良い手法なのです。
「アウトバウンド」と「インバウンド」の考え方
オンライン営業のためのチャネルは実は多岐に渡ります。代表的なものがこちらです。
- Web会議
- 電話
- チャット
- メール
- Webページ
- SNS
- メルマガ
- ウェビナー
セミナーやSNSはマーケティング部門の担当であるケースが多いかと思いますので、営業担当社は主に上の4つをよく使うことになるかと思います。
よく、訪問しない営業というと、顧客リストに対して電話をかけまくる、いわゆるテレアポのイメージが強いかと思います。
しかし、電話は実は成功率のあまり高くない、かつお客様本位ではないツールです。
電話は集中を妨げますし、セキュリティ上代表番号などからは担当者に繋げてもらえないケースも多いです。
オンライン営業をうまく回していくためには、「アウトバウンド」と「インバウンド」の2つの手法を交互に行うと良いでしょう。
アウトバウンドとは「外向き」を意味し、Webやマスメール、メルマガなどで外向きに情報発信を行う行為です。
インバウンドはその逆で、お客様の方から何らかの興味を示して頂くことを意味します。
例えばメルマガの開封やウェビナーの参加記録をもとに、より高く興味を持ってくれているお客様を優先的にフォローすることでより効率的に営業活動を行うことができます。
Web回遊やメールの開封を手作業で追跡することは困難なので、CRMやMAといったツールを使い、お客様の行動をトラッキングします。
オンライン営業で気をつけるべきこと
一方で、遠隔であるがゆえに気をつけなければいけない点も存在します。例えば
- 適切なペースと発音で聞きやすい話し方を意識する
- Web会議の際は開始までのマニュアルを作るなど、ツール利用で躓かないようにする
- 安定した接続を選ぶ。テザリングやポケットWiFiは使わないようにする
- 時折プレゼンを区切り、相手の理解を確かめつつ進む
- 逆に、相手が話している際は頷きやアイコンタクトで理解していることを示す
- 発言がオーバーラップした場合、お客様に話して頂くよう先を促す
- 画面共有時に他の顧客情報などが万が一にも見えないよう整理しておく
などです。いくらWeb会議が便利になったとはいえ、同じ場所で対面するよりはコミュニケーションの質は落ちることを意識し、より丁寧、かつ少しテンポを落とすくらいが丁度よいかと思います。
まとめ
この記事では、オンライン営業の特徴や、外勤営業にはない細かな顧客フォローが可能になるなどのメリットを説明しました。
2020年はCOVID-19などの影響も大きく、訪問せずに成果を出せる営業スタイルに早くも注目が集まって来ています。
個人的な感覚としては、ここ1,2年でオンライン営業の機会は爆発的に増え、当たり前のものになると思っています。
それに伴い色々な情報も公開されてくると思いますので、随時情報をアップデートしていただければと思います。
今回は以上です。お読みいただきありがとうございました。

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