従来、企業から顧客に対するアプローチは、WebやDMに自社を売り込むメッセージを書くいたり、有料の広告を出稿することがほとんどでした。
しかし、企業の発信する情報以外にも様々な情報が容易に得られるようになった現代では、企業が自身の都合で発信するメッセージは以前ほど顧客に訴求しないようになっています。
「コンテンツマーケティング」とは、単に企業側が考えた情報を発信するのではなく、ユーザが自分にとって必要な情報を取捨選択した先に企業が存在するという考え方です。
この記事では、コンテンツマーケティングの要旨と、実際にこの考え方を実践するための方法について紹介します。
コンテンツマーケティングとは
従来のアウトバウンド型のマーケティングとコンテンツマーケティングの違いを図式化してみました。下の図をご覧ください。

コンテンツマーケティングには下記のような特徴が存在します。
- 掲載する情報は企業の都合ではなく、ユーザが欲しい情報
- 商品やサービスありきではなく、ユーザの役に立てるか否かが大事
- 発信のためのプラットフォームは横ぐしで統一され、矛盾のないメッセージが提供される
つまり、コンテンツマーケティングとは、従来の企業中心のマーケティング戦略とは異なり、ユーザの便益に主眼を置いた新しいコミュニケーションの方法と言えます。
また、コンテンツというとブログやSNSのようなものを想像しますが、企業から発信するすべての情報はコンテンツとなり得ます。
- ニュース
- IR情報
- メルマガ
- ランディングページ
- ウェブページ
- 外部出稿記事
- プレスリリース
- オフラインイベント/セミナー
- ウェビナー
- 社員インタビュー
- デジタルコンテンツ
- ホワイトペーパー
- 事例
なぜコンテンツマーケティングが必要?
我々現代人はあまりに多くのコマーシャルメッセージに触れることに慣れ、かつ疲れています。
2018年ごろにはすでに、平均的な日本人が一日に目にする広告が3,000~5,000に上るとも言われています。明らかに情報処理できる限界を超えています。
(参考)“広告不要”の時代が到来! 顧客と長期的な関係を構築するマーケティング戦略
生活者は企業から一方的に送られてくるメッセージに疲れ、本当に自分にとって必要な情報を自ら集めたいと思うようになりました。
その一例がSNSなどです。
コンテンツマーケティングは今までの企業からユーザへのプッシュ(押す)型メッセージではなく、ユーザが求める情報を探すプル(引く)型のコミュニケーションです。
ユーザは自ら探し出した情報により深く納得し、また自分に近しい人に共有する効果も見込めます。
コンテンツSEOとの違い
コンテンツマーケティングと似た言葉でコンテンツSEOというものがあります。
これは、GoogleやYahooなどの検索エンジンに自社コンテンツを上位表示させるためのテクニックです。
コンテンツSEOはユーザが情報を探すときに必要になってくるため、コンテンツSEOはコンテンツマーケティングの一つの技術であると捉えると良いでしょう。
運営11年4,200社導入実績!SEO対策なら【ファイナルSEO】
コンテンツマーケティングを実践する
ここからは実際にコンテンツマーケティングを取り入れ、発展させていく方法を説明します。
サイクルをPDCAに分割し、それぞれフェーズでの作業内容になります。
P:コンテンツの設計
まずはコンテンツの設計です。
コンテンツマーケティングは「ユーザの需要を起点にする」ため、最初にユーザが求める情報の調査が必要です。
具体的には自社サービスなどに関するキーワードを選定し、そのキーワードがどんな文脈で検索されているかのボリュームを調査します。
ある程度のボリュームが見込めるキーワードはユーザが求めているトピックということなので、書くに値する記事となります。
D:記事の作成
キーワードが選出できたら実際に記事やあるいはリリースの文面、デザインなどに落とし込みます。
ライティングに関しては別の記事にポイントをまとめますが、まずは下記の4点を意識してみましょう。
- タイトルにキーワードを必ず入れ、読者の関心を引く
- 写真や動画、小見出しによって見やすくブレイクダウンされた記事を心掛ける
- 記事をまとまりのあるストーリーに分解して読者の離脱を防ぐ
- 完成稿を自分で読み、細かなミスを防ぐ
C:効果測定
施策の正しさを定量的に測定するには効果測定の方法が必要です。
Webのトラッキングツールには多くの種類がありますが、代表的なものはGoogle Analytics、Adobe Analytics(旧サイトカタリスト)、WordpressのプラグインであるJet Packなどです。
このブログでは仕組みはWordpressで作っており、下記のような指標をGoogle Analyticesでチェックしています。
- (日当たり/週当たり)PV/UU/セッション数
- オーガニック検索数
- SNS拡散数
- セッションあたりのPV
こうしたものに絶対的な評価基準はありませんが、過去のトレンドからしきい値を設けてみたり、パフォーマンスが落ちてきた時にはこまめに対策を講じる事もできます。
A:改善策の立案
改善策については、C:効果測定でどのようなKPIを設けるかによります。
例えば私の場合ですと、
- 『オーガニック検索数が上がらない』→よりニッチな領域に絞り、キーワードを意識して盛り込む
- 『直帰率が高い』→リコメンドや上位記事のリンク、記事内リンクを再配置して回遊を促す
といった点を工夫しています。ただし、それでも効果は直ちには現れませんので、数週間程度は大きな方針転換をせずに傾向を調査することも大切だと思っています。
まとめ
この記事では、ユーザ視点で情報を提供するコンテンツマーケティングの考え方と、その実践方法についてご紹介しました。
コンテンツマーケティングを実践する上で重要なのは、複数チャネルを横断的に管理することです。
例えば、SNSの情報を見て興味を持ち、コーポレートサイトを訪れたのにサービスの詳しい説明がない、あるいはお問い合わせの仕組みがないなど、情報設計が上手くいっていないケースがよくあります。
コンテンツマーケティングはあくまで、ユーザが企業を知るための入り口です。その先のコミュニケーションに関してはユーザを失望させないように徹底することが大切です。
今回は以上です。お読みいただきありがとうございました。

コメント