クラウドへワークロードを移行するメリットと、2020年に取るべき移行戦略

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クラウド/DX

この記事では最近大きな関心を集めている企業におけるクラウドコンピューティング利用のトレンドと、実際にクラウド活用を始める時の大まかな戦略の立て方についてフレームワークを使って説明します。

また、私が実務を通して身に着けた、「言うは易く行うは難し」なクラウド移行のあれこれについても解説指していこうと思います。

クラウドに関する基本的な考え方などは別の記事にまとめてありますので、参考にしてください。

クラウドへワークロードを移行するメリットとは

2018年のIDC US#43535718に、移行のメリットが調査されています。(※文章中では、クラウドプラットフォームはAWSを指します)

51%のオペレーションコスト削減

同等のオンプレミス環境を比較したとき、ITインフラストラクチャの総コスト(利用料金、ITスタッフのコスト、計画外のユーザーダウンタイムコスト)は51%削減できる。

62%のITスタッフ生産性の向上

向上した生産性を、ビジネスの差別化につながる作業、イニシアチブに転換。

94%の予期しないダウンタイムの削減

ダウンタイムが大きく削減され、その分生産活動に充てられる時間が増える。

25%の開発者生産性の向上

Blue-Greenデプロイメントなどのおかげで、アプリケーションを停止させる時間が大きく削減できた。そのためにインフラ以外の開発者の生産性も上昇した。

新機能の提供は3倍速い

ダウンタイムの現象とスタッフの生産性効率により、新機能の提供が効率的に。

年間40億円の売上増加

組織あたりの費用効果が平均約40億円向上。これは予期しないダウンタイムによる損失、開発の効率化による投資回収の速度も含む試算である。

6ヶ月で初期費用を回収

この効果により、当初のコストはおよそ半年で回収することができた。

637%:5年間のROI

調査対象となった企業において、5年間平均で998万ドルを投資し、7,288ドルを回収している。これは637%にも登るROIだ。

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クラウド移行に向けた戦略と2020年のトレンド

適切に利用することでコスト削減や生産性向上など多くのメリットが存在しますが、現状はクラウドをかなり積極的に利用している企業とそうでない企業でばらつきがある状態です。

ここからはGartnerの調査をもとに直近での企業のクラウドへの移行のトレンドを説明します。

コストの最適化によりクラウドの採用が促進

2024年までに、IaaSベースでパクラウドインフラストラクチャに移行されたほぼすべてのレガシーアプリケーションは、より費用対効果が高くなるように最適化を必要とします。

これは例えばコードの一部を修正してPaaSやサーバレスに適合させることや、更に一歩踏み込んで、アーキテクチャを大きく変更してマイクロサービス化するといったことです。

マルチクラウドによりベンダーロックインを解消

マルチクラウド戦略は、2024年までに組織の3分の2のベンダー依存を減らします。しかし、これは主にアプリケーションへの変更が発生しない局面において言えることです。

実際のところ、あるクラウドにデプロイされたアプリケーションが他のプラットフォームへ移動することはあまりなく、マルチクラウド戦略はどちらかといえば移植性よりも調達、機能性、リスク軽減に重点を置いています。

とはいえ、安易なマルチクラウド戦略はアプリケーションの改修や構築後の保守の手間が大きくなり、また同時に各プラットフォームサービスへの習得コストも高くなります。リスクや調達に対するコストには敏感になるべきでしょう。

また、マルチクラウドを前提としたサードパーティツールも今後は増えていく可能性があります。

十分に戦略を立てる必要があるでしょう。

IaaSに関するスキルが不十分な場合、移行が遅れる

2022年までに、クラウドIaaSスキルが不十分な場合、エンタープライズIT組織のクラウドへの移行の半分が2年以上遅れます。今日のクラウド移行戦略は、近代化やリファクタリングよりも「リフトアンドシフト」を重視しています。

※リフトアンドシフト:アプリケーションの改修をせず、そのままクラウドに載せ替えること。ReHost。

リフトアンドシフト前提では、必ずしもクラウドネイティブな知識とスキルを必要とせず、IaaSに関するスキルが特に重要になります。

コンサル企業やSIerなどはクラウドインフラスキルを持つ人材の確保に手こずっているため、移行を確実にするには信頼できるManaged Service Provider(MSP)とタッグを組む必要があるでしょう。

分散クラウドはサービスの可用性を拡張

2023年までに、主要なクラウドサービスプロバイダーは、ATMのような分散型プレゼンスを備え、低レイテンシのアプリケーション要件に対応するサービスのサブセットを提供します。

多くのクラウドサービスプロバイダーは、サービスにアクセスする必要があるユーザの近くでサービスを提供するような仕組みを提供しています。

この例としては、Azure StackやAWSのOutpostsのようはハイブリッド戦略が代表的です。

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まとめ

今や、多くの企業がクラウドのメリットに気づき始めています。実際に、冒頭のIDCのような目覚ましい成果を上げている企業も存在します。

しかし一方で社内外の人員の調達や、組織内の意識改革が進まず思うようにクラウドへの移行ができない企業も多くあるかと思います。

自力やもともと付き合いのあるベンダに声を掛けるのも悪いとは言えませんが、餅は餅屋でまずはクラウドクラウドを専門とするMSPをあたってみてはどうかと思います。

今回は以上です。お読みいただきありがとうございました。

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