AWSの始め方完全ガイド|契約〜支払い方法まで全パターンを解説

Amazon Web Services
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この記事では、これからAWSを利用したい法人の方を対象に、AWSの契約形態と支配方法、また支払いの一本化や代行の方法について説明したいと思います。

また、別の記事でMicrosoft Azureについても同様にまとめていますので、Azureも検討されている方はこちらもぜひご覧ください。

AWSの契約方法(アカウントの調達方法)

まずは、AWSの契約方法です。AWSとの契約内容は、基本的に全世界共通のCustomer Agreementと呼ばれる規約に則ります。Webからの契約の場合、アグリーメントを読んでチェックを入れると同意したとみなされ、契約することができます。

AWS カスタマーアグリーメント

直購入か代理店経由かの2通りの購入方法

契約自体は上記のとおりシンプルなものですが、調達方法については下記の通り2つのパターンがあります。

現状は①AWSから直接購入のパターンが多勢で、②Solution Providerを経由して購入するケースは多くはないかと思います。ここはAzureとは大きく違うところですね。

従来のライセンスなどの販売モデルでは、見積もりや契約スキームをパートナー側にオフロードするために代理店を立たせるケースが多いですが、クラウドではWebから誰でも簡単にリソース調達が出来ますので必ずしも代理店を必要としません。

①のAWSからの直購入はAWSのマネジメントコンソールからアカウントを作ることで成立しますので、詳細は割愛させていただきます。

Solution Providerとは

では、ソリューションプロバイダ経由でAWSを調達するメリットは何でしょうか。

基本的に、ソリューションプロバイダはAWSから調達できるリソースに何らかの付加価値を与えられるパートナーにのみ認められています。

例えばSIerであれば構築サービス、MSP(マネージドサービスプロバイダ)であればAWSの保守管理サービスなどです。また、公共機関へITを提供する際にはベンダに資格が要求されることもありますので、そういった際には公共部門パートナーを経由して調達することになります。

このスキームではソリューションプロバイダーがエンドカスタマーに対して、AWSアカウントの管理、サービス、サポート、課金を行うため、ソリューションプロバイダに認定されるには下記のような比較的厳しい要件をクリアする必要があります。

APN メンバーシップセレクト (以前のスタンダード) 以上の APN コンサルティングパートナー (要件を表示)
AWS 請求額AWS での収益 1,000 USD/月 (直接/間接)
AWS サポートビジネスレベル以上の AWS サポート
カスタマーエンゲージメントAWS のお客様からの推薦数 (一般公開または限定公開) が 2 件以上
APN パートナー認定AWS テクニカルプロフェッショナル認定* が 2 件以上
AWS ビジネスプロフェッショナル認定* が 2 件以上
AWS 認定取得スタッフAWS 認定取得ソリューションアーキテクト – アソシエイトレベルが 2 人以上

ソリューションプロバイダ他、APNパートナーはこちらから検索できます。

また、後述しますが、ソリューションプロバイダ経由で購入すると、支払いはエンドユーザとソリューションプロバイダの間で完結し、AWSへの直接支払いをすることがなくなります。そのため、より柔軟な支払いプランを選択することも可能になります。

AWSの支払い請求・方法変更について

ここからは、AWSの利用料金の支払いについて説明していきます。

まず、Web経由でAWSアカウントを作成した場合、デフォルトでは『ドル建て、クレジットカード払い』になっています。

日本の企業の場合、これを請求書払いに変更したい、あるいはドルでなく円で支払いたい方も多くいらっしゃると思います。

結論としては、請求書払いへ変更、円建てへの変更ともに可能ですが、請求書払いへの変更に関しては多少の成約があります。

また、請求書払いかつ円建ての場合には直購入ではなくソリューションプロバイダ経由となります。

円建てドル建て
クレジットカード払い
請求書払い

次のセクションからそれぞれのケースについて説明します。

円建てでの支払いに変更したい

円建てへの変更は非常に簡単です。

まず、rootアカウントでマネジメントコンソールへログインします。そして検索エリアで”Billingと”入植してください。

コスト管理ダッシュボード画面にて「お支払い方法」を選択します。

「お客様のお支払い通貨」の右、USDになっているところをクリックします。

※現在、円建てへの切り替えはVISAとMasterのみの対応のようです

ページ途中の「お支払い通貨の設定」から日本円(JPY)を選択し、更新を押下します。確認事項が出てきますので同意すると完了になります。

請求書での支払いに変更したい

AWSの支払いを請求書払いに切り替えるには、『AWSを月額$2,000を利用している、あるいはその予定がある』必要があります。

すでに月額2,000ドルを超えている場合はサポートへ依頼を出すだけです。これから超える予定の場合はサポートとは異なるスキームとなります。

すでに法人としてAWSの担当営業と接触のある場合はそちらへ連絡すればOKです。接点がない場合はこちらからお問い合わせをすればメールまたは電話で反応があるかと思います。

また、請求書と銀行振り込みで支払いの場合、下記のようなルールが有ることに留意ください。

  • 請求書ではあるが、紙が郵送される訳ではなく、PDFの送付になる
  • 支払いはドル建て、海外送金で、送金手数料はユーザの負担

ちなみにAWSサポートへの連絡方法はマネジメントコンソール右上の「サポート」をクリックするだけです。あとはガイダンスに従い進めることができます。

円建て、かつ請求書での支払いに変更したい

請求書払いへの変更の項を見ていただいて分かるように、料金の振り込み先は海外の口座で、ドル建てになります。また、円建て払いの場合は間にVASAやMasterが入りますので、基本的にAWSは為替リスクを許容していません。

ですので、円建てかつ請求書払いを選択したい場合、日本でビジネスをしているソリューションプロバイダを仲介する必要があります。

スキームは下の図の通りです。

前述のように、ソリューションプロバイダを経由した契約ではAWSの利用請求はソリューションプロバイダとユーザの間で完結します。

ですので、円建てかつ請求書払い方式を提供しているパートナーと契約すればこのスキームも選択可能になります。

この方法が可能かどうかは各プロバイダにお問い合わせください。

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AWS請求の一本化と請求代行のスキーム

基本的には、AWSの請求はアカウント所有者対し行われますが、利用者と課金対象を分けたり、複数の支払いを一括したりする方法も存在します。

このセクションでは、AWSの支払いに関するTipsについて紹介します。

AWSアカウントの請求先を変更する

1つ目はもっともシンプルに請求先を変更する方法です。

下の図は先程と同様のものですが、この登録されたクレジットカードを他のものに設定することで課金を分離することができます。

AWS Organizationsで支払い単位をまとめる

課金先を変更する、あるいは複数のAWSアカウントに対する課金を束ねるもっともスマートな方法が、AWS Organizaitons(オーガニゼーションズ)と呼ばれるサービスを使うことです。

Organizationsでは、下の図のように、組織内で利用している複数のAWSアカウントに階層構造をもたせ、かつ一元的に管理する必要があります。

https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/organizations/latest/userguide/orgs_getting-started_concepts.html

例えば大企業であればいくつかの部署で複数のAWSアカウントを扱うようなケースがあるかと思います。

そんなときは各部署やプロジェクトをOrganizations Unit(OU)として扱い、そこに紐づくAWSアカウントをまとめて管理が可能です。

Organizationsを使って課金をまとめるメリットには下記のような点があります。

  • 複数のアカウントに対して1つの請求書でOK
  • 複数のアカウントでの料金を追跡し、コストと使用状況の統合データをダウンロードできる
  • 組織内のすべてのアカウントの使用量を結合し、料金のボリューム割引、リザーブドインスタンスの割引、および削減計画を共有できる
  • 一括請求は追加コストなしで提供される

特に3つ目の効果が凄く、支払いをまとめて一つの請求にすれば、リザーブドインスタンス(RI)はじめ大量購入に伴うバルク割引プランが適用できるという点です。

当然ですが利用料が大きいほうが割引率も大きくなるため、できるだけ大きなコストメリットを出そうとすれば支払いはまとめた方が有利になります。

また、Organizationsには支払い以外のメリットもあります

  • 組織内のリソースを一元的に管理できる
  • 組織内のリソースに対し権限を割り当てることができる(IAMと併用)
  • AWSアカウント作成のコード化。プログラムとしてAWSアカウントの生成と権限付与ができる

このように非常に便利で効力の高いOrganizationsですが、制約もあります。その一つが下図で、「組織(企業)をまたいでのAWSアカウントの一元化」は禁止されています。

異なる会社の保持するAWSアカウントに対しOrganizationsを適用できるのは、グループ会社、親子兄弟企業などのビジネス的資本的な関係が存在する場合に限られています。

請求に関する注意点

また、AWSではIAMアカウントの共有は組織内、あるいは委託関係を除き禁止されています。

これはどういうことかと言うと、例えばある企業がAWSアカウント(Rootアカウント)を取得したとして、そのIAMを他の企業に渡してしまえたとすると、AWSアカウントを取得した企業がAWS利用料を支払う一方、IAMを所持する他の企業に対し請求を行う方式になります。

これはいわば非認可のソリューションプロバイダのようなものなので、規約に違反します。

まとめ

この記事では、AWSのアカウント開設方法と支払い方法について解説しました。

現状ドル建ての請求書払いと円建てのクレジットカード払いについてはマネジメントコンソールから簡単に申請が出来ますが、円建ての請求書払いに関しては直購入では手段が無いため、ソリューションプロバイダ経由での購入が解決策となります。

また、請求の一本化に関しては、技術的には実現可能でも契約で禁止されているケースもあるので、違反にならないように注意しましょう。

利用違反をした場合には、最悪アカウントの停止も考えられるため、もし不安である場合にはサポートケースを上げて問い合わせると良いかと思います。

契約と課金を理解して、効果的にAWSを利用してください。

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今回は以上です。お読みいただきありがとうございました。

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