私は慢性的ないびきと、目覚めたあとのだるさ、のどの渇きなどに悩まされています。
私のいびきは年々ひどくなり、家族によると夜中に時折むせこむような様子もあったと言われるようになりました。
私の父も昔からいびきがひどく、傍から見て「無呼吸では?」と思うようなことがあり、これはとうとう私自身も無縁ではいられないな、と思い睡眠外来を受診するに至りました。
結論から申し上げますと、私は『軽度の睡眠時無呼吸症候群の疑いあり』と診断され、経過観察になりました。そして、今現在いびきは完全には収まっておりません。
この記事では、私の状態と受けた検査、および診察の経緯について説明するとともに、今後睡眠時無呼吸症候群といびきに対し対策を検討していきます。
※この記事はあくまでも筆者本人が体験した一連の治療の報告であり、類似した症状に対し何らかの判断を行うものには適しません。睡眠を扱う病院で診察を受けられることを推奨いたします。
睡眠専門病院での診察
この記事を書いている現在、私の年齢は32歳です。初めていびきを指摘されたのは今から10年ほど前なので20代前半頃だったかと思います。
それから10年間の間に指摘される頻度も大きくなり、直近では家族の睡眠を妨げるようになりました。
また、前述のように無呼吸と疑わしい様子もありましたので、一度診察を受けてみようと思いました。
睡眠関係の受診ができる病院は、心療内科の他、専門の睡眠外来があるようです。
私の場合、比較的近くにスリープクリニック(睡眠専門の病院)がありましたのでそちらにかかりました。同じ悩みの方も多いようで、近頃では予約が埋まりがちなようです。
もし予約されるのであればお早めにされるのが良いでしょう。
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病院で説明されたこと
病院ではまず体重と血圧を測りました。高血圧と肥満は代表的な無呼吸の原因だそうです。私は体重も血圧も水準値に収まっていたのでそれ以外の原因とのことでした。
いびきと無呼吸の起きるメカニズム
いびきの発生する原因としては、睡眠時に上気道(のど)が狭くなることにより、空気が音を立てる現象です。
いわばトランペットやサックスなどの管楽器と同じ仕組みです。上気道が狭くなる代表的な要因としては、前述の肥満がありえます。首周りに肉がつくことにより、重みで喉を圧迫してしまうのです。
また、いびき無呼吸の方の8割が高血圧を合併しているとの調査があります。これは直接的な因果というよりも、他の病気などが両方の症状をもたらすことが多いです。
いびきとはのどが狭くなることにより起きる現象ですので、寝ているあいだに舌が喉の方に落ちやすいひとはいびきをかきやすいです。私は生まれつき舌が分厚く体積が大きいので、その弊害もあり得ると診断を受けました。
まずはスクリーニング(簡易)検査を実施
以上が基本的な問診でしたが、そのあとは実際に簡易キットを借りて自宅で検査をしました。
キットは化粧ポーチくらいの大きさで持ち運べる小さなもので、下にお借りした図のように、腕時計型の本体から指に酸素計、鼻にチューブを経由した呼吸系が付属しています。

この装置を2晩つけ、血中の酸素濃度と鼻周辺の酸素について検査をします。
また、日常的にお酒を飲む私は一晩は飲んで、もう一晩は飲まずに検査を行いました(結果的に、飲むか飲まないかはさほど影響はありませんでしたが)
本格的な検査には1泊2日の検査入院が必要
簡易検査である程度重度の無呼吸であることがわかった場合、1泊での検査入院を行います。
より大掛かりな装置をつけ、心拍も含めモニタする検査とのことです。入院も伴うのである程度費用もかかり、診察時は30,000円程度と説明を受けました。
結果として、器具による治療が必要な場合、シーパップと呼ばれる装置を使うことになります。これは口鼻を覆うマスクから酸素を送り込むことで睡眠中の呼吸を補助するものです。

簡易検査、そして診察結果
簡易検査の結果、私は軽度の睡眠時無呼吸症候群と診断を受けました。
睡眠中、健康な人では呼吸酸素濃度は空気中の標準的な酸素濃度に対し95%以上となりますが、私の場合は一晩に数回程度80%前後まで濃度が低下する様子が見られました。
軽度でしたので精密検査するかは私の判断に任せられましたが、検査したところで器具的な治療が必ずしも必要というレベルではなく、結局検査そのものも断り、自宅で経過を見ています。
診察で貰ったアドバイス
結果的に小康状態ということでなるべく生活習慣改善で対処することになり、そのために守るべきアドバイスを貰ってきています。
無呼吸はもちろんいびきにも有効だとのことです。
- 体重は落とす。たとえ平均体重であっても、体質的に喉が狭いような人には効果的。数キロ違えば全然症状はちがう。
- 睡眠時間は確保する。人にもよるが、7時間程度は厳守すべき
- 入眠時間もなるべく一定にする。特に、睡眠時間は足りていても夜更しはすべきでない
- お酒は飲みすぎて良いことはないが、絶対控えるべきという程でもない
- 寝返りはうつが、それでも横向きで眠るに越したことはない
- 簡易的な器具としては、下顎を前に動かして気道を開かせるマウスピースもあるが、同時に顎には負担がかかってしまう
- 口に貼るシールタイプの器具は、鼻呼吸が問題なく出来ている人には有効だが、口呼吸気味の人には却って無呼吸の原因になりかねない。必ず検査を受けて
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私はまず体重を落とすことと、寝る際には横向きで眠ることから初めています。マウスピースなども検討していますが、別のところに負担がかかりそうなので、まずはなるべく自然な習慣からできることをしたいという考えからです。
iOSアプリでいびきを測定してみる

自分のいびきの程度を見極めてみようと、iPhoneの『いびきラボ』というアプリを試してみました。いびき対策用のアプリとしては最も有名だそうです。
無料版と有料版がありますが、無料版でも制約つきで下記の機能を試すことができます。
- いびきの録音:回数制限あり
- いびきの再生:全量の録音はできない
- いびきをスコアで表示
- いびきをグラフで表示
無料版でも一通りのことはできますが、有償版ですと上記機能が制限なしで使えるほか、過去のデータから対策を出してくれたり、データをエクスポートしたりクラウドへ保存することもできます。

料金は時期によってまちまちのようですが、私がプレミアムへ加入した時は1年プランですと¥98/月ととても安価でしたので特に迷わず有償版へアップグレードしました。
このアプリで自分のいびきを測定してみたところ、下のような波形となりました。寝入って3時間後くらいのところで最も大きい音が出ています。
総合スコアは17とのことです。このアプリを使い始めるユーザの大体の平均が25くらいとのことなので私はまだマシなのかもしれません。

ただし、このレベルでも録音を聞いてみるとかなり大きないびきをかいていることがわかります。スコアは目安とし、あくまで自分と周りが不快にならないレベルを目的とすべきだと思います。
市販のいびき防止グッズで試したもの
診断を受けてから、自宅で試せるものをいくつか購入してみました。個人的な効果も含めてレビューします。
マウスピース

効果:★☆☆☆☆
まず夜用のマウスピースを試してみましたが、これはほとんど効果がありませんでした。歯の食いしばりには多少良かったのかな、と思う一方でいびきそのものには効きが見られませんでした。
しかも夜中眠っている間に口から落ちてしまうためなお効果が出ないという…
いびきスプレー

効果:☆☆☆☆☆
いびきスプレーも試してみましたが、こちらは予想通りまったく違いが見られませんでした。鼻づまりの人にしか効果がないのでしょうか?
口とじテープ

効果:★☆☆☆☆
口とじテープはほんの少しだけ効果がありましたが、解決には至りませんでした。
ちなみにこちらのテープは絆創膏の粘着部分のような素材で、一晩漬けても肌へのダメージはありませんでした。タテの長さもあるので、少しだけ唇が開くようにしておけば息苦しさもなく眠れました。
おそらく口呼吸が原因でいびきをかいている人には効果があるのでは?と思います。
私の場合はそもそも舌が気道をふさいでいるのでしょうか。口とじテープでは解決になりませんでした。
顎固定サポーター

効果:☆☆☆☆☆
顎固定ベルトも試しました。これは頭頂部でマジックテープをとめて、ゴムで口が開かないようにするタイプです。
こちらも口とじテープと同様に、私の場合はそもそも口呼吸が問題ではないのか効果がありませんでした。むしろ頭を締め付けるため頭痛になってしまい、却って健康にマイナスとなってしまいました。
いびき専用マウスピース ズィークヮィェット

効果:★★★★★☆
こちらは「ズィークワイエット」といういびき対策専用のマウスピースです。これはかなり効果がありました。
アプリの結果を見てもらうのが早いと思います。入眠後3~5時間くらいの一番大きな波がかなり軽減されています。スコアも5まで下がりました。

ズィークワイエットがなぜ効果があったのか、はそもそもいびきのメカニズムと関係があります。
下の図のように、いびきは寝ている間に顎と舌が喉の方に下がり気道を圧迫することで空気の鳴りが聞こえる減少です。ちょうど笛のようなものです。

私の場合は特に舌が分厚いため、気道をふさぎやすい体質のような気がします。
口閉じテープが効果なかったのは、結局唇を閉じていても顎が落ちてしまっていたからでは…?と今では推測しています。
また、ズィークワイエットは普通のマウスピースとは違って、下の歯がちょっと前にでる、いわゆる「シャクレる」ようにできています。そのため下顎と舌が前に引っ張られ、気道の圧迫を防ぐようにできているらしいです。
このように初めて効果らしい効果があったものの、星を一つマイナスにした理由はこちらです。
- 価格が高い(Amazonで¥4,400する)
- 夜中外れてしまうことがある
- シャクレている状態に多少違和感がある
下2つは慣れでましになると説明書には書いてありましたが、値段はちょっと気になりました。衛生面を考えると複数持っていたほうが良い気もしますし。
ともあれ、とにかくいびきを抑えたい方には試して見る価値はあるのではないでしょうか。
おわりに
今の所ズィークワイエットが一番いびき抑制には効果がありました。これからも継続して試していくのと、さらなる安眠を目指していこうと思います。
今回は以上です。お読みいただきありがとうございました。
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