不動産テックとは何か|不動産テック版GAFA、”ZORC”の正体と国内の動向

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不動産テック(Proptech、Real Estate tech)というものをご存知でしょうか。

専門メディアのSUMAVEによると「不動産に関連する事業や業務にテクノロジーを取り入れて、新たな価値を生み出すことや、それを実現するための製品やサービスに使われる言葉」とのことです。

私も、IT業界の人間として不動産テックの企業ともお付き合いがあり、非常に勉強になったため、こちらへも記載させていただきます。

なぜ不動産テックが今注目を集めている?

不動産業界は非対称

そもそも、なぜ不動産テックは今こんなにも注目を集めているのでしょうか。その説明のために、まずは不動産業界の構造から簡単にお話する必要があるかと思います。

これは当ブログで度々取り上げる転職・人材紹介業界でも、かつて私が所属した広告業界でも同じことが言えるのですが、不動産業界は基本的に『情報の非対称性』にこそ利益の源泉があると言えます。

つまり、プロの人(売り手)は知っているけども、私達素人(買い手)が把握できない情報がたくさんあって、それを任意に開示したり、あるいは法に触れない範囲で隠すことによって取引を有利にすすめるというものです。下記の記事ではこれを「隠蔽と捏造の世界」と表現しています。

不動産テックをわかりやすく解説 今なぜ重要?主要12分野の実態は?
不動産業界は現在、大きな課題を抱えています。生産性の低さやITリテラシーの不足は顕著で、これから人手不足が進むと、危機的状況に追い込まれる企業も少なくないでしょう。そこで今注目されているのが“不動産×テクノロジー”の「不動産テック」という分野です。本稿では、不動産テック協会設立メンバーであり不動産テックカオスマップを作...

このいい例として、不動産を買ったり借りたりしたい時は大体の人は不動産の代理店に出向いて契約をするかと思います。スーパーで食品を買う際に代理店を通す人はいないと思いますが、これはすなわち不動産業界では物件の所有者=真の売り手と私達との間に一つの層があるということです。

一度の取引に多額のお金がかかり、一生のうち経験する回数が少ないことも大いに影響を及ぼしています。

不動産テックは不動産契約の民主化

そこで登場したのが不動産テックです。テクノロジーとインターネットによって情報の非対称性と中間マージンを減少させることができるからです。また、不動産テック企業は代理店のように各町に店舗を構える必要が無いため、構造的に低コストで素早く展開することができます。

事実、不動産業界のIT資本投下率と生産性は他業界に比べ大きく低いため、テクノロジーによるディスラプトは大いに有り得るところかと思います。

https://www.sbbit.jp/article/cont1/35131

注目の不動産テック企業

では、今知っておくべき不動産テック企業について国内外の例をご紹介したいと思います。

1. Zillow(アメリカ)

Zillowは自社で不動産物件のポータルを持ち、賃貸や売買、エージェント探しのための検索サービスを提供する企業です。アメリカ全土の1億を超える物件情報を持ち、数年後までの価格推移予想やリフォーム後は直ちに値段を反映、APIによって情報をサードパーティに提供するなど優れたUXを持つ企業です。

同社は自らを広告掲載場所を提供するメディアであると表現しており、まさに不動産業界のGoogleという雰囲気です(なんとなくメディアの作りもGoogleっぽいような…)

2. Opendoor(アメリカ)

OpendoorはZillowと同じくアメリカに本社を持つ企業です。オンラインでの住宅買取サービスを運営しています。家を売りたいユーザが必要情報を入力すると、買取金額のオファーと、高く売るための改修提案などが送られてきます。日本の中古車買取のようなサービスでしょうか。

未上場ですが、すでに多額の資金調達を終え、評価額は2200億円に達します。ちなみに日本にも「トラベルコちゃん」などのサイトを運営するオープンドアという会社がありますが、別ものですのでご注意下さい。

3. Redfin(アメリカ)

Redfinはアメリカシアトルに本社を構える企業です。Zillowより早い2004年に創業しています。ビジネスモデル的にはZillowのように不動産のメディアであると同時に、不動産のブローカー権利を持って直接売買が可能です(掲載量自体はZillowより少ないらしいですが…)。

メディアであり、かつ不動産買付事業もやっていることから、ユーザに対してどのエリアに家を買うべきか、どんな家を買うべきか、そしてそれをいつ売れば最も効率が良さそうかという不動産投資に関するコンサルティングサービスも手掛けています。

また、その特性上自ら住宅を仕入れて売るための事業会社のRdfn Ventures Inc.を2017年に設立しています。

4. Compass(アメリカ)

Commpassは2017年12月、ソフトバンク・ビジョン・ファンドから当時不動産テックとしては最高額である4.5億ドル=約500億円の出資を得た企業です。

これまでの3つとは毛色が違い、情報プラットフォームは個人と不動産ブローカーのマッチングを目的として運営されています。

大きな特徴としては、Compass Exclusivesのような高級住宅の情報が充実していることです。単に物件情報だけでなく、その物件を取り扱うエージェントの細かなプロフィールや、物件の立地する環境(経済、教育、病院…)のような富裕層であれば気にするような情報をフォローしている点です。

4社まとめてZORC

Zillow、Opendoor、Redfin、Compassの4社は不動産テックにおいて極めて洗練されたビジネスモデルとUXを備え、そのどれもがオンライン上で情報提供をするプラットフォーマーであることから、GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)になぞらえてZORC(ゾーク)と呼ばれています。

今後ますます日本でも有名になっていくと思われます。

日本の不動産テック動向

ここで、日本の不動産テック動向を少しだけご紹介したいと思います。下記の図が不動産テックのカオスマップです。

国内にも沢山不動産テック企業が出てきており、中でもリクルートのSUUMOやat homeは利用されたことがある方も多いのでは無いでしょうか。

この中で、ZORCに近いモデルということで1社ご紹介したいと思います。

5. TORUS(日本)

株式会社TORUSは不動産レーダーというサービス名で、登記簿に記載されている情報を一元管理した情報プラットフォームを提供しています。

登記簿の変遷から売却見込みや、多数の不動産を所有する富裕層の発掘などが可能になります。地図情報とも連動していて、所望のエリアでの動向を探ることができます。

不動産情報の一元化ということで、今後ZORCのようにスケールが期待されるのでは無いでしょうか。

まとめ

従来情報の非対称性の代表格であった不動産業界に、インターネットによって民主化が起こっています。他業界と同じように不動産にかんする豊かでフェアな情報を集め、提供するプレーヤを不動産テックと呼び、代表例はアメリカのZORCとまとめられる4社です。

日本ではそもそも不動産に関する政府の大本の情報がデータ化されておらず、したがってZORCのようなリッチなプラットフォーマーは出現していません。

しかし、今後はこの傾向も少しずつ改善されていくと思いますし、現にTORUS社のような取り組みを始めている企業も現れています。

何より、今までITのメスが入っていなかったビジネスほど、ディスラプトされた際の衝撃は大きいはずです。今後もこの不動産テックに関する情報を追いかけて行きたいと思います。

今回は以上です。お読みいただきありがとうございました。

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Huli

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