今回は最近注目を集めるクラウドに関する資格をまとめて見たいと思います。この記事はこんな方におすすめです
- オンプレ業界からCIerへ転職したい方
- CIerに入社した若手エンジニア
- これらの業界で働きたい学生の方
本記事で対象とするクラウド(読み飛ばしOK)
まずはこの記事で言うクラウドの範囲です。米NISTの下記の定義に従います。2019年10月現在、具体的には次の3つが該当します。
- Amazon Web Service(AWS)
- Google Cloud Platform(GCP)
- Microsoft Azure(Azure)
・オンデマンド・セルフサービス(On-demand self-service)
https://www.ipa.go.jp/files/000025366.pdf
ユーザは、各サービスの提供者と直接やりとりすることなく、必要に応じ、自動的に、サーバーの稼働時間やネットワークストレージのようなコンピューティング能力を一方的に設定できる。
・幅広いネットワークアクセス(Broad network access)
コンピューティング能力は、ネットワークを通じて利用可能で、標準的な仕組みで接続可能であり、そのことにより、様々なシンおよびシッククライアントプラットフォーム(例えばモバイルフォン、タブレット、ラップトップコンピュータ、ワークステーション)からの利用を可能とする。
・リソースの共用(Resource pooling)
サービスの提供者のコンピューティングリソースは集積され、複数のユーザにマルチテナントモデルを利用して提供される。様々な物理的・仮想的リソースは、ユーザの需要に応じてダイナミックに割り当てられたり再割り当てされたりする。物理的な所在場所に制約されないという考え方で、ユーザは一般的に、提供されるリソースの正確な所在地を知ったりコントロールしたりできないが、場合によってはより抽象的なレベ(例:国、州、データセンタ)で特定可能である。リソースの例としては、ストレージ、処理能力、メモリ、およびネットワーク帯域が挙げられる。
・スピーディな拡張性(Rapid elasticity)
コンピューティング能力は、伸縮自在に、場合によっては自動で割当ておよび提供が可能で、需要に応じて即座にスケールアウト/スケールインできる。ユーザにとっては、多くの場合、割当てのために利用可能な能力は無尽蔵で、いつでもどんな量でも調達可能のように見える。
・サービスが計測可能であること(Measured Service)
クラウドシステムは、計測能力を利用して、サービスの種類(ストレージ、処理能力、帯域、実利用中のユーザアカウント数)に適した管理レベルでリソースの利用をコントロールし最適化する。リソースの利用状況はモニタされ、コントロールされ、報告される。それにより、サービスの利用結果がユーザにもサービス提供者にも明示できる。
AWSの資格
AWSの資格は難易度とジャンルから基礎〜プロフェッショナルと専門知識に別れています。基礎レベルだと約6ヶ月程度の実務利用程度で、アソシエイトとプロフェッショナルはそれぞれ1年、2年程度の利用期間を経て得る知識に相当しています。

1.AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト
AWS認定ソリューションアーキテクトは、顧客がAWSを利用する際に要件に応じて最適なサービスの組み合わせやを提案することで、スペック、コスト、可用性、運用性、スケーラビリティなど各種のクライテリアの達成を促します。AWSを使った際の問題解決のための仕組みや構造を設計する人というイメージです。
実質AWS系資格の登竜門になっており、エンジニアであればまずここを狙いに行くのが良いのではないでしょうか。また、その性質上ITコンサルタントや運用設計の方も持っておいて損のない資格です。AWSの基本的な知識が網羅的に手に入ります。
※2019年10月末にソリューションアーキテクトアソシエイトに合格しました。
2.AWS認定ソリューションアーキテクト プロフェッショナル
1のSAアソシエイトの上位資格に該当します。アソシエイトの要件に加え、エンタープライズアプリケーションに採用されるような複雑かつ大きなシステムの設計について問われます。
エンタープライズにおけるクラウドの設計をできる人はまだまだ希少なので、この資格があれば随分と評価が上がるのではないでしょうか。また、アソシエイトクラスのエンジニアを束ねてチームを指導し、ベストプラクティスに基づく設計ができることが要求されます。
3.AWS認定DevOpsエンジニア プロフェッショナル
SAプロフェッショナルと同じく、AWSのプロフェッショナル級に位置する資格です。ソリューションアーキテクトがサービスの選択と設計に重きをおいているのに対し、DevOpsエンジニアはより実装にフォーカスしています。また、構築後の管理と運用の自動化についても対象となります。
クラウドの性質を語る上で自動化と開発の高速化は大切な要素です最近ではScrumMasterなど、アジャイル開発に関する資格も高収入が望めるとして人気です。企業においてもまだまだ真にDevOpsを実施できるエンジニアは少ないため、非常に需要が高いです。
GCPの資格
GCPにはアソシエイトとプロフェッショナルの2段階の資格が存在します。現在アソシエイト級はAssociate Cloud Engineerの1種類のみでロールによって分かれてはいません。また、アソシエイトの想定経験期間は6ヶ月なので、AWSで言えば基礎コースのレベルに該当します。あくまでコア技術にしぼった試験です。


4.Professional Cloud Architect
Professional Cloud Architectはその名の通りソリューションアーキテクトのための上級資格です。公式サイトでは推奨経験年数が3年以上程度となっており、SAプロフェッショナルよりも経験が要求されることがわかります。
この資格は米Global Knowledge社の15 Top-Paying IT Certifications for 2019において1位を取るなど非常にいま注目の高い資格となっています。


日本国内においても、GCPはふくおかFGの時期基幹システムのインフラに選ばれるなど昨今業界内でも非常に動きが活発で注目されています。いまProfessional Cloud Architectを取っておけば今後数年の人材価値に大きく影響が出るのではないでしょうか。まだ国内での取得者はAWSとAzureに比べれば多くないと思いますので貴重です。
また、GoogleにはG Suite(メール、ドキュメント、スプレッドシート)を扱うための専門資格もありますよ。
Azureの資格
AzureもAWSと同じく基礎、アソシエイト、エキスパートの3種類です。いまはAZ-で始まる名称に統一されていますが、昔は数字5桁の名称でした。割と頻繁に改定や試験同士がくっついたり分かれたり後方互換性なくアップデートされてExpireされてしまうので注意しましょう。


5.AZ-203 Azure Developer
AZ-203はAzureのデベロッパの資格です。ソリューションアーキテクトという表現はありませんが、実際にはIaaS、PaaS、コンテナ、バッチなどのソリューション開発とあり、アーキテクト寄りの試験です。少しややこしいのが同じアソシエイト級に位置するAZ-103はややAZ-203よりも少しレベルが低く、Administratorという位置づけです。可能であればAZ-203までを目指したほうが良いでしょう。
6.AZ-300 Azure Solution Architect
AZ-300はAzureのアーキテクト系の上位資格になります。前述の15 top-paying certificationsでは6位に該当しています。(少し名称が違うのですが、おそらくAZ-300のことを指していると思われます。これも名前が変わる弊害…)。
なお、Azureの資格と勉強については別に細かく記載をしていますのでそちらをご覧ください。
まとめ
以上、クラウドに関する代表的な資格をまとめてみました。いずれもテクノロジーの進歩が早いため試験の改定も頻繁に行われます。また変化があり次第書いていきたいと思います。
現在クラウド市場は非常に活況なので、言語プラットフォームとわずある程度の経験があり、かつクラウドに対する知識と適正があれば高待遇を得ることも可能です。知識をアップデートしてキャリアを磨きましょう!
今回は以上です。お読みいただきありがとうございました。
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